さわやか法話 9 ”上救菩提 下化衆生”

 朝晩の涼しさに秋を感じ、ほっとする今日 この頃です。 先日、ご法事の席で、お線香はいったい何本あげるのかという話になりました。 私は一本でも、二本でも、三本でも、それぞれに教えと意味合いがあって構わないのだが お線香をあげるという日々の習慣のなかに、こんな信念を持ってくれとお願いし、 線香は二本説をおすすめしてみました。ご先祖さまにお線香をあげるということは、 ご先祖さまに仏さまを見て、その仏さまの教えに導かれて、立派な充実した人生を歩みたいという信念と誓いであって欲しいと思います。 一本は仏さまのため、もう一本は自分のためにですがそれは、「上救菩提 下化衆生」という教えに導かれてのことです。 「上救菩提」とは上に菩提を求める、菩提とは最上のさとりという意味ですが、 平たく言えば、小さいことから大きな悩みまで、これが解決されればどんなに良いだろうと思うことがしばしばですが、 そんなあこがれ、希望に向かって頑張るぞという誓いが「上救菩提」です。 次に、下に衆生を化する、化とは教化の”化”で教え導くという意味です。 衆生とは私たちのまわりの縁を持つ人々のこと、その衆生のお陰で私たちは生きていられるのですが、 たまには自分のことだけでなく、お世話になっている人たちにも私の力を恵んであげたいという誓いが「下化衆生」です。
 一本はどうぞ仏さま、私の生き様を、私の頑張りを見ていて下さいという願いです。 もう一本はこうして生活していられるのも、皆様のお陰、ありがとうございますという報恩感謝です。 「上救菩提 下化衆生」が二本の線香に託す私の誓い方でありたいと思います。