さわやか法話59  呼吸を整え・・・

 今年、平成23年というのは東日本大震災の記憶により、平素報道で何気なく聞いているだけの小規模災害までも、通常の何倍もの認識で受け止め続けられております。
 他者の災難を気に留め、自らの振る舞いの気構えとすることは人生においては必要なことです。直接手を差し伸べるなり、間接的に協力するなり、各自の及ぶ範囲に拠ればいいのでしょう。何故かく有るべきと云うのは、人間が他の動物よりも感情の発達した生き物であるからです。従って願うべき相手を見出すと行動できるのです。そういった行動の結果、未曾有の災害が頻発する今年のような時でも何とか半年以上支えあえるのです。全く人間というのは生存能力の強い存在です。
 しかし、他方では、活動できぬ者は善人では無いかの様な感情もおこりがちであります。これも大災害であればこその後遺症です。しかし、このような考えは「善意を働きかけねば人に非ず」という偏見を生み出します。いかに善意の行いをしても毎日は不可能です。それならば、自分自身の今を堅実にこなし、その場の人生を生きるということです。この世の全ての物事は必ずどこかで繋がっております。この場の小さなため息が地球の裏側で大きな気象変化を及ぼすのです。
 だとすれば、ため息ばかりつく生き方より呼吸を整え落ち着いて考える毎日というのは、自らを整える立派な行いだと言えるのです。何からしていいのか解からない時はこのように考えると良いでしょう。これも立派な座禅です。