さわ やか法話 11  ”聞慧、思慧、修慧”

 いよいよ21世紀の幕開けです。皆様 も今年こそはと願いも新たにしたことでしょう。 しかし、紆余曲折の政情のなか、新年早々から残虐な事件が後を立ちません。 又、成人式での一部の若者たちによる傍若無人な振る舞いに驚愕したのは私だけではないと思います。 大人の仲間入りをしたということは、一人前の人間として人間が人間らしく生活していくためにはどうしたらよいかとい う事を考えながら、 社会の中での一役をになって行こうと認識する日ではないでしょうか、その為に必要な教えとして、 三つの智慧、「聞慧・思慧・修慧」の教えがあります。
 ”聞慧”とはよく聞くこと、話上手より聞き上手になるよう心がけるということです。 第2は”思慧”。聞いたらよく考えなさい、聞いたことをじっくり消化して考え深い人間になろうと務めることです。 しっかり考えて腹を決めたら第三の”修慧”です。必ず実行に移さなければなりませんということです。 この“聞”→“思”→”修”の徳目はとりたてて考えるほどの徳目でない日常当たり前のことと見がちですが、 その実行は大変に難しいことに気がつきます。第1の”聞慧”を取り上げてみてもこの通りです。 自分の我見や我欲を離れてまず素直に相手の言葉を聞くすこしでも成長したいと思うならば、 まず先輩達の言葉を、叱咤激励の言葉をよく聞く。 そうしないと自分のご都合により、我見、我欲のとりこになってしまい、 自分の言うことが正しいと言い張って、人様の考えや意見が耳に入らなくなってしまう。 こうした態度は慎まなければならないことだと思います。
 話し上手より聞き上手、これだけでも心掛けたいものだと思います。
                                    栄雄

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