さわやか法話1 ”発菩提心”

 ”一発菩提心を百千万発するなり”道元禅 師の、我らマンネリに疲れた、弱き者どもへの衝撃的なゲンコツです。 ようし、やるぞという心、自分の仕事、つとめを少しでもよりよく、立派に勤め上げようという意欲で、その心を発するのを、発菩提心といい、つまり初心忘るるべからずの”発心”です。発心は一度だけで、後は苦しい努力が続くと思うのは考え違いで、縁にふれ、折りにふれて”発心”しなさい、最初の発心を百千万発するのだ!というのです。
 確かにもし発心が一度きりで、後にはだらだらと変哲のない努力が続くとすれば、その日々はマンネリに陥り、私たちは必ず退屈して、スランプに落ち込んでしまうもの、いったんたてた志が、ガタガタ崩れてしまうのもこういうところにきざし始るわけです。
 さあ、「一年の計は元旦にあり」、お互い今の歩みの足もとを見つめ直して、”一発菩提心を百千万発するなり”、年頭にあたり、百千万発の発心とまいりましょう。
                     (栄雄)